議事録4 現在行われている対策

LINEで送る
Pocket

評価会議議事録4
現在行われている対策 (1/8)


日時:2016/10/30(日)9:00~11:00
場所:中央大学後楽園キャンパス5号館 5136号室

海部:今回出席できなかった木村先生のコメントでは、ニホンウナギの減少要因は解明されていない、取り除く事は不可能で現在は減少している。その減少理由としては昨日出た内容でおおよそ合意しているとの事。異なる意見が出ている項目に関しては随時紹介しながら進めていきたい。昨日の振り返りをしたい。まず個体群動態に関して非常にデータが少ない状態、発表されている唯一の論文では最近は増加していると報告されている事もあり、現在の減少について定量的に示すことはなかなか難しい状況。その場合、今考える事ができるのは、現在の個体群サイズが過去と比較した時に著しく減少しているのか。著しいというのはどの程度なのかという問題もあるが。そう考えると1960年代以前が比較対象として皆さん同意できるか。

箱山:おおむね良いと思うが、1つ気になるのは戦後60年間というのは漁業も養殖業は復興があって漁獲量も増えている。この時期に発展したという事を示すようなデータというのはなかなかないので気を付けたほうがよい。

海部:ある程度の漁獲量がある50-60年代以前を「過去」として「過去と比較して」の方がよいか。次にシラスウナギの報告された漁獲量について議論されたが、報告された漁獲量よりも池入れ量の方が指標としては適切だという議論が出たが、これについては適切だと言い切れるほどではないので「適切かもしれない」という表現で、ここで合意として出さないほうが良いと思われるか。

箱山:良いと思う。シラスの漁獲量としては、漁獲量の合計より、池入れ量のほうが正確だと思う。ただ、池入れ量は正確に把握できたとしてもCPUEとは性質が違い、養殖池の全体の規模で上限が決まること、必要な池入れ量を確保するまでシラスの漁獲を続けることを考えれば、資源に比例した指標とはならないと考えられる。一方、ある地域の一定期間の漁獲量は、努力量が大きく変わらなければ資源の動向を表すと考えられる。CPUEはより望ましい指標だと思う。

海部:報告量と池入れ量双方を勘案するという事で良いか。

吉田:今は昨日の話の整理か?この場で合意する事はしないのではないか。

海部:昨日の確認。生息域の劣化と減少についてはChen et al.(2014)より結果から引用した。次に、危機として5つの点が議論された。現在の対策として日本で行われているものは1.放流、2.池入れ量制限、3.銀ウナギの禁漁、4.生息域環境の回復、5.モニタリングで状況を簡単に見るには、最も対策を行っている水産庁の「ウナギをめぐる状況と対策について」を参照する。大きいものでは4か国協議によるシラスウナギ池入れ量の上限設定、他に養殖業者の許可制と報告義務付け。それぞれの養殖業者に対して池入れ数量が割り当てられていてお互いに移すことが可能、いわゆるITQ。その他には産卵に向かう銀ウナギの保護。これは各県の規則として定められている。秋―冬にかけてのウナギの禁漁、もし捕った場合は買い取りなどが複数県で設定されている。この他に各漁協による放流、また水産庁の事業として効果的な放流方法の調査事業を行っている。生息域の回復に関しては、調査事業が多くみられるが現在のところウナギを目指した取り組みはあまり多くない。あとはモニタリングについては水産庁事業の中でモニタリング手法の開発が進められている。これらの6項目以外で追加事項はあるか?

白石:シラスウナギの採捕制限もあるが、それは池入れ量制限に含めるべきか。

海部:確かに、シラスウナギは特別採捕のみで採捕できる事になっている。一部の件では池入れ量制限とリンクさせて決定しているが、そうしていない場合もあるのでシラスウナギ採捕制限と池入れ量制限は別にすべき。

白石:完全養殖については気になっている人も多いと思うが。

海部:完全養殖を保全に含めるべきか皆様からご意見いただきたい。

吉永:完全養殖技術の目的自体は保全ではないが結果的には保全にはつながると思う。入れるか入れないかというと難しい所ではある。

山川:最終的には同じ形になるとは思うが、これまではシラスウナギの採捕制限が行われていて、それに池入れ量制限が加わったという形になると思う。

吉田:日本における対策という意味では環境教育が必要。現状に関するアウトリーチや広報活動が必要。英語ではconservation measureに含まれてしまうが。

次のページへ>>(2/8)