「矢野善郎」発見 Michael Connelly 「矢野善郎」の正体

03/10/18  「矢野善郎」発見!!
Googleで自名検索して,たまたま発見したサイト「福井を舞台とした推理小説」によれば
山村美紗『越前海岸殺人事件』(中央公論社・1996年)
登場人物: 矢野善郎(代議士の息子で,キャリア官僚,東京在住)

なんでよりによって「矢野善郎」なのかは故山村氏のみぞ知るですが,漢字まで一致しているのにはちょっとビックリ。設定から推察するに,犯人か黒幕でしょうか(ハマリ役?)。それとも,それじゃあまりに安直なので,最後まで黒幕とみせかけておいて実は…という線も大いにありそう。いずれにせよ私は,『○○殺人事件』系の御当地ミステリーは「軽してこれを遠ざけている」ので真相は今のところ不明。
ブックオフ等で100円くらいで売ってたら読んでみましょうか。この手のって,なんかTVドラマ化されていそう。矢野善郎役は誰だろ? ふくらむ妄想。

03/11/18  Michael Connelly
ブックオフ等で探しているのですが,山村氏の作品はたくさんあるものの『越前…』は見つからない…。わざわざ注文して買うのもなぁ…。

ミステリーといえば,最近はまったのはMichael ConnellyのCity of Bones. 九月にアメリカに行ったとき,帰る便内での時間つぶしになる手軽な雑誌でもないかと立ち寄ったNewark空港の本屋で,たまたま平積みになっていました。作者名はちらと聞いたことがあったので,ついつい手にしてしまいました。ロス郊外でたまたま見つかった十数年前(と数千年前!)の遺骨をめぐっての陰鬱なミステリー。筋運びのあまりの見事さに,旅の疲れをとるために寝るべきなのを忘れて没頭してしまい,日本に着く頃には2/3は読み終わり,帰宅した日に寝つけなかったので,結局「その日」のうちに読み終わってしまいました(おかげで時差ボケが暫く治りませんでした)。
『シティー・オブ・ボーンズ』という題で邦訳があるようです(ここは逃げずに題も邦訳して欲しかった)。
03/12/22  「矢野善郎」の正体
『越前海岸殺人事件』(角川文庫)があったので,ついつい正価(500円)で買ってしまいました。故山村美紗氏の小説は初めてなんですが,「ヤられた…」としか言いようがありません。

(御巣鷹山もどきの)飛行機事故の生存者である財閥の令嬢が主人公という,マジかよという設定と,他の生存者がストーカーとなって令嬢が偽物だと脅したり,今どき「妾の子」との確執があったりした後,いつの間にか犯人がつかまっている,終始唖然とさせられっぱなしの展開。リアリティを中途半端に追求しない潔さには,卒倒させられそうです。山村文学のなかでの位置付けは知りませんが,どうやら1994年に書き下ろされ,中公文庫を経て,今は角川文庫ででていることを考えると,再版するに値するほどの作品なのでしょう。
 200ページ強ですが,フェミニズム文学理論もびっくりという超常的な会話体で話が進行し,1時間強で読み終われます(途中で挫折しなかったらですが…)。連続殺人事件が起きているというのに,会話の中で,越前海岸の観光・グルメガイドもちゃんと盛り込まれています。さすがに「御当地ミステリーの女王」です。
 ちなみに「善郎」君は,確かにそこにいました。政治家の息子でキャリア官僚という設定のわが「善郎」君は,一流大学T大出身で,ベンツを乗り回し,背が高く,スポーツマンで音楽にも造詣が深く,しかもユーモアにたけているナイスガイで,将来は政界に進出し大臣になるつもりらしいです。同姓同名としては,立候補したら応援したいところです。もっとも私の予想(妄想)では「善郎」君は,ノワールなバッドガイとして政治サスペンスを盛り上げてくれるはずだったのですが,実際にはラブ・ロマンス風味を添えるための使い捨て二枚目キャラであることが判明。がっかり。
ちなみにネットで検索していると山村氏の作品のドラマ化リストも見つかるのですが,どうやら『越前…』はドラマ化はされていないようです…。