:: ホーム
教父研究会について
教父研究会は1976年秋、教父の哲学・神学の思索および関連分野の学術的研究をおこない、あわせて会員相互および内外研究者の交流を促進することを目的として設立されました。1994年からは、会員の研究報告と討論を掲載する会誌『パトリスティカ』を毎年刊行しています。また、2001年には最初の欧文号 Patristica を刊行しました。研究会への参加はこの研究会の趣旨に賛同するすべての方にひらかれています。
お知らせ
2011年8月21日
- 第137回教父研究会は、2011年9月24日(土)に以下の要領で行なわれます。みなさまのご参加をお待ち申しあげております。
- 発表者 村上寛(早稲田大学大学院)
- 発表題目 愛の変容、或いは愛への変容──『単純な魂の鏡』における超越への開け
発表者メッセージ 1310年に異端者としてパリで処刑された女性、マルグリット・ポレート (Marguerite Porete)「愛の変容 (muance d’amour)」「愛への変容 (muer en amour)」について、上昇と転落というモチーフを参考に考察してみたい。というのも、彼女の著作である『単純な魂の鏡 (Mirouer des Simples Ames)』は神秘的思想内容を思弁的、神学的に語ろうとする素朴にして真摯な信仰表明の書として重要な価値を持つものであるが、「愛の変容」に至る過程及びその根拠、その内実について理解することはその神秘的思想について理解することと深く結びついていると思われるからである。そこでまずは、魂が最終的な栄光の状態に至るまでに辿るとされている七つの状態について確認し、第五の状態で魂が「愛から無へと転落する」と言われることについて、何故そのような転落が魂がより完全な状態に近づくために必要にして必然的なプロセスであるのかについて検討を行う。そしてこのようなポレートの変容に関する魂理解を踏まえた上で、愛の観念について、特に至純の愛 (Fine amour) に注目してその変容の内実について考察を行う。またそのような変容に伴う問題として魂の自由意志の問題についても触れることになるだろう。以上のような展望のもと、中世末期における愛と変容の思想の一例について示し、考察してみたい。
- 特定質問者 山本芳久(東京大学)
- 日時 2011年9月24日(土)14時-17時
- 場所 聖心女子大学 1号館 4階大会議室
2011年5月31日
- 第136 回教父研究会例会は<フィロカリア・シンポジウム>として特別講演および発表2本を予定しております。例会の前には総会も開催されます。みなさまのご参加をお待ち申しあげております。
- 特別提題
- 大森正樹(南山大学教授)
- 発表題目 「観想の『文法書』としてのフィロカリア」
発表者メッセージ 18世紀にコリントの府主教マカリオスと聖山のニコデーモスによって編纂され、ヴェネチアで出版された『フィロカリア』は、おおよそ3世紀ごろの砂漠の師父から始まって、15世紀ごろに至る(ビザンティン帝国の存続期間と照応する)師父たちの著作を網羅する霊的著作選集である。このような霊的詞華集ともいうべきものを編纂しなければならなかった時代の要求は、一つにこの選集の中に(ということは収録されている師父たちの生活の中に)霊的生活の理想を見出すということにある。従って、以降この書は東方キリスト教世界の霊的意識において重要な位置を占め、修道院で繰り返し朗読され、あるいは読まれるだけでなく、一般信徒の生活にも、教会での説教等を通して浸透していったと考えられる。
今回、『フィロカリア』をテーマとして取り上げるに際し、発表者は『フィロカリア』が霊的指南書であることを鑑みて、比喩的に、霊的観想の一種の「文法書」として考えてみたい。従ってそこで取り扱われる語彙や構文が問題になるだろう。それは初期のアントニオスなどの砂漠の師父では、萌芽的に姿を現していたものが、時代とともに徐々にある形、また方向をとるに至り、いわゆるヘシカズムに結実していったということを前提にしている。
ただし発表の内容は、『フィロカリア』全体を鳥瞰するのではなく、発表者がその翻訳に関わったビザンティン後期の著作に限定して話を進めたい。
- 提題
- 袴田玲(東京大学大学院博士課程)
- 発表題目 『フィロカリア』成立の背景
発表者メッセージ 『フィロカリア』はどのような意図で、誰のために編まれた書であるのだろうか。本発表は『フィロカリア』編纂者ニコデーモスとマカリオスの生涯および編纂の経緯を紹介し、彼らが主導した霊性復興運動(ヘシカズム・ルネサンスとも評される)の考察を中心にすえる。その際に手がかりとなるのが、『フィロカリア』冒頭のニコデーモスによる序と、彼の著作『頻繁な聖体拝領について』である。また、本発表を通じて、東方正教世界と西欧カトリック世界(とりわけイタリアはヴェネチアにおける)の歴史的交流についても明らかにしてゆきたい。
- 提題
- 袴田渉(東京大学大学院博士課程)
- 発表題目 ダマスコスのペトロスにおける修行階梯論
発表者メッセージ 本発表は、おそらく12世紀ごろに活躍したとされ、「フィロカリアの要約」と言われるダマスコスのペトロスの著作を、とりわけ「八つの観想(覚知)」と題された箇所に焦点を当てて読解し、そこに見られる彼の修行階梯論を考察する。そしてこの考察を通じて、ペトロスにおけるヌースνοῦςの意義とその用法の一端を明らかにすることを目指す。本発表は、ペトロスの理解に止まらず、東方キリスト教の人間観についての考察ともなるはずである。
- 特定質問者
- 出村和彦(岡山大学)
- 司会
- 土橋茂樹(中央大学)
- 日時 2011年6月25日(土)
12時30分から総会。13時から17時まで<フィロカリア・シンポジウム>
- 場所 聖心女子大学 1号館 4階大会議室
- 特別提題
2011年3月15日
- 3月19日(土)開催予定の教父研究会例会中止のお知らせ
- 未曾有の大震災で被害を受けた方々には、心からお見舞い申し上げます。
- 委員会で検討した結果、大震災直後であり、計画停電や交通事情悪化の影響、さらに会場となる聖心女子大の御事情(3月22日まで学内の全ての行事中止と入構自粛)を考慮し、19日(土)の教父研究会例会の開催は困難と判断し、中止とさせていただきます。
- 御発表を御準備いただいていた村上寛さん、松村康平さんはもちろんのこと、大会参加を予定されていた方々にも、心よりお詫び申し上げます。どうかご容赦いただきますようお願い致します。
- 教父研究会・事務局 土橋茂樹
2011年2月17日
- 第135回教父研究会は、2011年9月24日(土)に以下の要領で行なわれます。みなさまのご参加をお待ち申しあげております。
- 発表
- 松村康平(上智大学大学院神学研究科)
- 発表題目 オスティアの対話
発表者メッセージ アウグスティヌス(354-430)は、387年の秋の日、港町オスティアにおいて母モニカとの対話の最中に、言語にし難い体験をしたという。それは『告白』第Ⅸ巻に記され、知られている。本発表では、このオスティアの対話を取り上げ、その対話がいかなる意味をもつのかという点へと焦点を当てたい。ミラノ体験(第Ⅶ巻)、そして庭の回心(第Ⅷ巻)を経て、辿り来た彼はこの対話においていかなる意味に触れたのだろうか。考察を深めたい。
- 発表
- 村上寛(早稲田大学大学院)
- 発表題目 愛の変容、或いは愛への変容──『単純な魂の鏡』における超越への開け
発表者メッセージ 1310年6月1日、パリで一人の女性がその異端思想を理由に処刑された。その女性とはエノー出身のポレートと呼ばれるマルグリット、通称マルグリット・ポレートであり、彼女のおそらく唯一の著作が『単純な魂の鏡』である。本発表では神秘的著作とされる『鏡』について、その重要な概念の一つである「愛の変容」或いは「愛への変容」を中心として考察し、その「神秘思想」について明らかにしていきたい。
- 発表
事務局連絡先
〒192-0393 東京都八王子市東中野742-1
中央大学文学部 土橋茂樹研究室
メール宛先 tsuchi#tamacc.chuo-u.ac.jp
(スパムメール対策のため一文字変えてあるので、#を@に置きかえてください)
:: ホーム