記録情報学から情報知識学へ
『記録・情報・知識の世界 オントロジ・アルゴリズムの研究』
記録情報学から情報知識学へ
『記録・情報・知識の世界 オントロジ・アルゴリズムの研究』
斉藤 孝 著
中央大学出版部 322頁 2004年3月 定価 3000円
(1)全体像 (2)記録 (3)情報 (4)知識の知識 (5)分類学と分類システム
(6)知識モデル (7)知識地図 (8)オントロジ・アルゴリズムの具現化
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書評 細野公男先生(慶応義塾大学) 原田智子先生(鶴見大学)
続編 「意味論からの情報システム」 (2006/03)
「わかる」ことは「分ける」こと
人間の本質は、ロゴスという知的体系をもつ存在であり、いつでも、どこにいても何事も体系化したいという願望をもつ。そのような体系化の結晶と思えるものは、分類である。資料を単純に日付順に並べるだけでは、人間の知的本能が我慢できない。「わかる」ことは「分ける」ことであり、それは分類することである。
人間は、分けるために迷い、思い悩み、日々苦しんできたが、その苦しみこそ、まず個人の暗黙知となり、やがて周知の形式知として凝縮される。オントロジ・アルゴリズムは、この知的な苦しみの結晶といえる。
人間の知性とは何か
「わかる」ためには対象を認識する必要があり、その存在を問うことから存在論が確立された。「存在論」のことをギリシア語では、オントロジ(Ontology)という。オントロジは、あらゆる存在者が存在者として共通の特質やその根拠を考察するための「認識論」でもある。現代流に解釈すれば、「アイデンティティ」を問うことに相当し、存在証明を行うことになる。何が存在するのか。それが何であるかは、どうすればわかるのか。存在の証の機能を果たすものとは何か。人間は知性かもしれない。その証明要素を明らかにしてみる。
知識モデル
オントロジ・アルゴリズムは、人間の知性を明らかにする知識モデルである。それは、「わかる」ことは「分ける」ことであるという哲学に始まり、分類学を経て分類システムという基本原理が明らかにされた。20世紀になり、人工知能、知識工学、認知科学など学際的研究はコンピュータによって哲学と同じように人間の知性について探求する。人間の知的活動がどのようなものであるか、それを様々な知識モデルを提案し、それらの仮説を実証するためにコンピュータでシミュレーションされる。
分類という知識地図
この研究の目的は、記録情報学を貫く必要不可欠な伝統的継承であるオントロジ・アルゴリズムを再構築することである。オントロジ・アルゴリズムとは、人間の知的プロセスの原点ともいえる「わかる」ためには「分ける」という素朴な認識論から始まり、歴史学、論理学、数学、言語学、記号論、分類学などリベラル・アーツによって、その基礎原理が確立された。そして、コンピュータの出現に伴って情報科学、認知科学、知識工学、ソウトウェア工学、記録情報学など学際科学において様々な知識モデルとして研究されている。それらの知識モデルは、概念形成と分類という知的プロセスを知識地図として図解される。
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