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preterite-present_verb - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2012-05-22 17:34

2009-07-03 Fri

#66. 過去現在動詞 [preterite-present_verb]

 [2009-06-25-1]過去現在動詞 ( preterite-present verb ) に触れた.過去現在動詞 とは,本来は強変化動詞だったが,その過去形が現在の意味を表すようになり,改めて弱変化で過去形が作られるようになった動詞である.そのため,強弱変化動詞 ( strong-weak verb ) とも呼ばれる.古英語には,以下のような過去現在動詞があった.古英語の不定詞を挙げる.

 ・āgan "to own" > PDE to own
 ・cunnan "to know" > PDE can
 ・dugan "to avail"
 ・"dare" (不定詞を欠く) > PDE dare
 ・(ge)munan "to remember"
 ・magan "can" > PDE may
 ・"must" (不定詞を欠く) > PDE must
 ・schulan "shall" > PDE shall
 ・þurfan "need"
 ・unnan "to grant"
 ・witan "to know" > PDE wit

 magan "can" ( > PDE may ) の古英語での屈折を見てみよう.

Present Indicative Subjunctive
1st sg. mæg mæge
2nd sg. meaht, miht
3rd sg. mæg
pl. magon mægen


Past Indicative Subjunctive
1st sg. meahte, mihte meahte
2nd sg. meahtest, mihtest
3rd sg. meahte, mihte
pl. meahton, mihton meahten


 一般の動詞の屈折を知っている者であれば,現在形の屈折が強変化動詞の過去屈折にそっくりであること,そして過去形の屈折が弱変化動詞の過去屈折にそっくりであることがわかるだろう.現代英語の may -- might のペアは,形態的には,過去形と二重過去形という関係なのである.

Referrer (Inside): [2009-12-01-1]

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2009-06-25 Thu

#58. 助動詞の現在形と過去形 [auxiliary_verb][preterite-present_verb][cycle]

 昨日の記事で,must に過去形が欠けているのは,もともと古英語で過去形だったからだと述べた.また,もともと過去の意味を表したものが徐々に現在の意味を表すようになるというのは,must だけでなく,現代英語の主要な助動詞 could, might, should, would においても,現在まさに起こっていることを示した.どうやら助動詞には,過去→現在という意味変化が起こりやすいようだ.
 それがなぜかは措いておくとして,過去→現在の意味変化を示す別の衝撃的な例を挙げてみよう.
 これまで現在形という前提で話を進めてきた can, may, shall は,なんとこれ自体が形態的には過去形なのである.つまり,古英語よりもっと古い段階で,過去→現在の意味変化を経ていたのである.古英語では,このような(助)動詞を過去現在動詞 ( preterite-present verb ) と呼んでいる.
 そうだとすると,could, might, should という形態は過去形の過去形,いわば二重過去形とでも呼ぶべき形態だということになる.そして,現代英語では,その二重過去形までもが現在を表す意味を獲得しつつある・・・.
 過去→現在の意味変化が歴史の中でこれほどまでに繰り返されてきたことを考えると,当然,次のサイクルが予期される.実際に,"I should have studied harder for the exam" や "Don't worry---they could've just forgotten to call" などの「過去形助動詞 + have + 過去分詞」が,いわば三重過去形として新たなサイクルを始めている.
 このサイクルは永遠に繰り返されるのだろうか?言語の変化は不思議である.

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