国籍法及び国籍法施行規則の一部改正に伴う戸籍事務の取扱いについて


平成20年12月18日民一第3302号民事局長通達


  国籍法の一部を改正する法律(平成20年法律第88号。以下「改正法」という。)が平成21年1月1日から施行されることに伴い、国籍法施行規則の一部を改正する省令(平成20年法務省令第73号。以下「改正省令」という。)が本日公布され、改正法の施行の日から施行されることとなりました。
 この改正に伴う戸籍事務については、下記のとおり取り扱うこととしますので、これを了知の上、貴管下支局長及び管内市区町村長に周知方取り計らい願います。
 なお、本通達中、「法」とあるのは改正法による改正後の国籍法を、「規則」とあるのは戸籍法施行規則(昭和22年司法省令第94号)を、「国籍取得の届出」とあるのは戸籍法(昭和22年法律第224号)第102条の規定による国籍取得の届出をいいます。
 おって、本通達に反する当職通達又は回答は、本通達によって変更するので、念のため申し添えます。

                    記

第1 国籍取得の届出
 改正法により、出生後に日本国民から認知された子が法務大臣に届け出ることによって日本国籍を取得するためには、父母の婚姻を要しないこととされた(法第3条)。これにより、法第3条、改正法附則第2条(第3条により第2条第1項の届出をしたものとみなされる場合を含む。以下同じ。)、第4条又は第5条により日本国籍を取得した者は、一定期間内に市区町村長に届け出なければならないこととされた(戸籍法第102条、改正法附則第8条)。

1 戸籍の記載
 法第3条、改正法附則第2条又は第4条により法務大臣に対する届出により国籍を取得した場合の戸籍の記載は、別紙1の例による。ただし、準正子の取扱いについては従前どおりとする。

2 国籍を取得した者の称すべき氏及び入籍する戸籍
(1)法第3条、改正法附則第2条又は第4条により法務大臣に対する届出により国籍を取得した者の称すべき氏及び入籍する戸籍は、次の原則によるものとする。ただし、準正子の取扱いについては、昭和59年11月1日付け法務省民二第5500号当職通達(以下「5500号通達」という。)第3の1(2)を適用するものとする。
ア 国籍を取得した者の氏は、新たに定めるものとする。ただし、国籍を取得した者が国籍取得時に日本人の養子であるときは養親の氏を称し、国籍を取得した者が国籍取得時に日本人の配偶者であるときは、国籍取得の届出において日本人配偶者とともに届け出る氏を称するものとする。
イ 国籍を取得した者がアにより氏を新たに定めるときは、新戸籍を編製するものとし(戸籍法第22条)、養親の氏を称するときはその戸籍に入り、日本人の配偶者であるときであって自己の氏を称するときは新戸籍を編製するものとし、日本人配偶者の氏を称するときはその戸籍に入る。
ウ 国籍を取得した者の母が国籍取得時にすでに帰化等により日本国籍を取得しているときは、ア及びイにより氏を新たに定め新戸籍を編製するほか、母の戸籍に入籍することを希望する場合は、母の戸籍に入る。
(2)改正法附則第5条により国籍を取得した者は、嫡出子の場合は父又は母の改正法附則第2条による国籍取得時の氏を称しその戸籍に入り、嫡出でない子の場合は母の改正法附則第2条による国籍取得時の氏を称しその戸籍に入る。
(3)国籍を取得した者が新たに氏を定めるときに用いる文字は正しい日本文字を用いるものとし、漢字を用いる場合は次に掲げる字体で記載するものとする。
ア 常用漢字表(昭和56年内閣告示第1号)の通用字体
イ 規則別表第二の一に掲げる字体
ウ 康照字典体又は漢和辞典で正字とされている字体
エ 当用漢字表(昭和21年内閣告示第32号)の字体のうち、常用漢字表においては括弧に入れて添えられなかった従前正字として取り扱われてきた「(慨の旧字)」、「(概の旧字)」、「(免の旧字)」及び「(隆の旧字)」
奥田注:これらの4つの文字は、パソコンで出ないので、省略させて頂きます。
オ 国字でアからエまでに準ずる字体
力 平成16年9月27日付け法務省民一第2665号当職通達により改正された平成2年10月20日付け法務省民二第5200号当職通達別表に掲げる字体

3 国籍を取得した者の名
 法第3条、改正法附則第2条、第4条又は第5条により国籍を取得した者(以下「国籍を取得した者」という。次項において同じ。)の名については、第5500号通達第3の1(3)を適用するものとする。

4 国籍取得の届出に添付する書面
 国籍を取得した者は、国籍取得の届書に国籍取得前の身分事項を記載し、その身分事項を証すべき書面を添付しなければならない(規則第58条の2、改正省令附則第3条)。ただし、国籍取得証明書(戸籍法第102条第2項)に身分事項に関する記載があるときは、その事項については更に資料を添付することを要しない。

5 国籍取得の届書の様式
 平成12年3月15日付け法務省民二第602号当職通達で示されていた国籍取得の届書の標準様式は、別紙2のとおり改めるものとする。
 なお、従前の様式による届書の用紙は、本通達実施後においても当分の間使用することができる。

6 国籍取得の日
 改正法第3条により日本国籍を取得する日は、法務大臣に届け出た日である。
 改正法附則の規定により日本国籍を取得する日は以下のとおりとされた。
(1)改正法附則第2条による届出の場合
 法務大臣に届け出た日
 ただし、平成15年1月1日以後に従前の届出をしているとき及び改正法附則第3条により第2条の届出をしたものとみなされる場合は、従前の届出の日とされた。
(2)改正法附則第4条又は第5条による届出の場合
 法務大臣に届け出た日

7 国籍取得の届出期間の起算日の特例
 改正法附則第8条により戸籍法第102条が準用される場合において、国籍取得の届出期間の起算日については、改正法附則第2条による届出のうち、平成15年1月1日以後に従前の届出をしている場合は、改正法附則第2条による届出をした目と読み替えるものとし、改正法附則第3条により改正法の施行の日に第2条による届出をしたものとみなされる場合は、改正法の施行の日と読み替えるものとされた。

8 国籍留保の届出期間の特例
 改正法附則第2条第1項及び第3項ただし書により日本国籍を取得した者を父又は母とし、その取得の時以後改正法の施行の目前までに、国外で出生し、外国の国籍を取得した子の戸籍法第104条による国籍留保の期間の起算日については、父又は母が平成15年1月1日以後に従前の届出をしている場合にあっては、改正法附則第2条による届出をした日であり、父又は母について改正法附則第3条により改正法の施行の日に第2条の届出をしたものとみなされる場合にあっては、改正法の施行の日とされた(改正法附則第9条)。

第2 虚偽の認知届がされたことを理由として法第3条による法務大臣に対する届出が不受理とされた場合の戸籍訂正手続について

1 認知者への通知
 虚偽の認知届がされたことを理由として法第3条による法務大臣に対する届出が不受理とされた場合には、法務局又は地方法務局の長から戸籍法第24条第3項により当該認知事項の記載が法律上許されないものであることを認知当時の認知者の本籍地の市区町村長に通知がされることとされた(本日付け法務省民一第3300号当職通達第1の5(1))。当該通知を受けた市区町村長は、同条第1項により、遅滞なく認知者に対し認知事項の記載が法律上許されないものであることを通知するものとする。

2 職権訂正
 1の通知をすることができないとき、又は通知をしても戸籍訂正の申請をする者がないときは、市区町村長は、戸籍法第24条第2項により、管轄法務局、地方法務局又はその支局の長の許可を得て、認知者の戸籍の認知事項を消除するものとする。

3 被認知者への通知
 2により、認知事項を職権により消除した市区町村長は、被認知者(被認知者が15歳未満の場合はその法定代理人)にその旨を通知するものとし、通知の様式は別紙3又は4に準じた様式とする。

第3 渉外の創設的認知の届出に関する留意点
 渉外の創設的認知の届出を受理するに当たっては、以下の点に留意するものとする。

1 父又は母が認知することができるのは嫡出でない子であるとされていることから(民法第779条)、認知届を受理するに当たり、嫡出でない子であることについては、原則として、母の本国官憲が発行した独身証明書をもって審査を行うものとする。
 ただし、独身証明書以外に母の本国官憲が発行した婚姻要件具備証明書や家族関係証明書等によって当該子が嫡出でない子であることが確認できる場合は、当該認知届を受理することができる。

2 独身証明書等の発行制度がない場合や独身証明書等を入手することができないやむを得ない事情が存する場合等市区町村の窓口において、届出の受否について疑義を生じた場合は、管轄法務局、地方法務局又はその支局の長に指示を求めるものとする。

(別紙略)