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テーマ・解題

全体テーマ
日本経済再生のために、いかなる経済政策を実行すべきか?


全体テーマ説明

 1991年のバブル経済の崩壊後の日本経済は、2000年代はじめまでの期間を「失われた10年」、さらに20年間にわたる期間を「失われた20年」と呼ばれ、長期的に停滞しています。このようななか、201212月の第46回衆議院議員総選挙において自由民主党が大勝し、第2次安倍内閣が発足しました。第2次安倍内閣が掲げる一連の経済政策は「アベノミクス」とも呼ばれ、大きく3つの部分(矢)からなります。「第1の矢」は大胆な金融緩和政策、「第2の矢」は機動的な財政政策、そして「第3の矢」は成長戦略となります。また国際経済に関しては、TPP(Trans-Pacific Partnership)交渉参加について留意する必要があります。
 現時点において、長期的に停滞している日本経済が再生するための方策を考えるにあたり、このようなさまざまな取組を出発点とすることが適当であると考えられます。本年度の公共選択学会学生の集いにおいては、2年生には、アベノミクスの第3の矢の成長戦略およびTPPを考慮して日本の産業構造のあり方について検討して頂き、また3年生には、アベノミクスの第1および2の矢を考慮して財政金融政策運営のあり方について検討して頂きたいと思います。

※本年度は、全体テーマに基づいて、下記のように2年生テーマおよび3年生テーマを設定しました。したがいまして、2年生および3年生の方々は、全体テーマを念頭に置いて、各学年のテーマに取り組んで下さい。

2年生テーマ
日本経済再生のために、いかなる産業構造を構築すべきか?


2年生テーマの解題

 安倍晋三内閣総理大臣は、アベノミクスの第3の矢の成長戦略に関して、規制改革こそが「一丁目一番地」であると述べています。確かに成長戦略の1つとして、規制改革は重要であることに違いはありませんが、一方で成長戦略としては、政府が特定産業を選定して積極的に育成するという政策もあります。実際、他の先進国には、後者の産業政策を再評価する動きも見られます。今後の日本の産業について考えるにあたり、上記の2つの考え方をどのように位置づければ良いのでしょうか。さらに、それぞれの考え方にしたがって具体的な政策を考える場合、どのような仕組みを考えればよいのでしょうか。
 一般的な政策の枠組みを考えるだけではなく、具体的に特定産業(例えば、農業、医療など)に対して、どのような政策を実行すべきでしょうか。この問題を考えるためには、TPP交渉参加など国際経済に関する事項を考えるだけではなく、個別の産業がそれぞれ国民生活においてどのような位置づけのものであるのかということも考慮する必要があると思われます。
 産業に関する議論は膨大な蓄積がありますが、上記のことも考慮しながら、日本経済が長期にわたる停滞から脱して再生するためには、どのような産業構造が望ましいのか、独自の見解をまとめてください。


3年生テーマ

日本経済再生のために、いかにマクロ経済政策を運営すべきか?


3年生テーマの解題

 アベノミクスの第1の矢に関して、日本銀行は、4月4日の金融政策決定会合において、2年程度の期間を念頭において消費者物価の前年比上昇率2パーセントを目標とする「量的・質的金融緩和」を決定しました。その結果、円安および株高という動きが出ましたが、その後、円相場および株価は反転するなどしています。現在の日本銀行の金融政策に対する専門家の見方も賛否両論であり、一致しているわけではありません。果たして、現在の日本銀行の金融政策は、実体経済にも影響をもたらし、日本経済の成長に寄与するのでしょうか。
 一方、アベノミクスの第2の矢に関して、積極的な財政出動が実施されています。しかしながら、少子高齢化の進展、財政赤字の累積、2020年のプライマリー・バランス(基礎的財政収支)の均衡化という目標などを考慮すると、たとえ消費税の増税を考慮しても、機動的財政運営にも限界があるという見解もあります。また、第1の矢の大胆な金融緩和が財政規律を損なうのではないかという懸念もあります。さらには、公的債務のGDP比が一定レベルを超えると、経済成長率が低下するという実証結果もあります。つまり、財政再建そのものが成長政策であるとも言えます。
 このように、現在の日本の財政金融政策に対しては、さまざまな見方があります。一体、日本経済が長期にわたる停滞から脱して再生するためには、どのように財政金融政策を運営すべきか独自の見解をまとめてください。

取組にあたって


 今年度は、以下の2つの理由から、例年のように参考文献を提示しません。

 @本年度のテーマに関する情報は、頻繁に更新されています。
 A本年度のテーマに関する政策に関して、専門家の間でも意見は分かれています。

 このようなテーマに対して、一部の文献を参考文献としてとりあげることは、みなさんの視野を狭くするのではないかと考え、参考文献を提示しないことにしました。
 今年度のテーマに対する1つの取り組み方としては、まずは、日本経済新聞の「経済教室」、「やさしい経済学」のバックナンバーなどを読むことにより、現状認識をすることが第一歩であると考えられます。その上で、これまでに大学の授業やゼミなどで勉強した知識を動員し、さらには足りないところは新たに補強して、独自性のある政策提言を模索することが必要であると思います。
 今年度のテーマについては、すでに多くの議論がなされており、独自性のある議論を模索することは楽ではないと思いますが、みなさんの将来にとっても重要なテーマだ思いますので、夏休みからの期間を有効に活用して、頑張って論文を完成させてください。

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第16回 
公共選択学会 学生の集い

2013年11月9日・10日
中央大学 多摩キャンパス