Home学生之声>【中国語ってどんな言葉?/インタビュー:中国言語文化専攻教員・ 榎本泰子先生】 
「大学で中国語を勉強してみたいけど、難しいかな?」「中国語ってどんな言葉かな?」と思っている受験生のみなさん。みなさんの疑問を、本専攻の榎本泰子先生にぶつけてみました。
Q: 大学に入ったら中国語を勉強してみたいのですが、中国語って難しいですか?
難しいです。それなりに(笑)。だって日本語とも、英語とも全く違う言葉ですからね。 まず漢字が日本の漢字とは違います。「簡体字」といって、簡略化した漢字を使います(中国大陸の場合)。例えば「漢字」は「汉字」となります。これは一つひとつ覚えてもらわなければなりません。でも覚えてしまえば楽ですよ。「ですよ」と書けば、授業のノートを取るにも早いですしね。

Q: 私は横文字が苦手なので、中国語は漢字を使うというところが魅力です。

ちょっと待ってください。中国語の学習にアルファベットはつきものです。 中国語の発音はアルファベットで表記します。例えば「中国」なら「Zhōngguó」。このアルファベット(拼音(ピンイン)という中国語独自の発音表記法)は、入門段階で必ず覚えてもらいます。そうしないと、漢字を眺めているだけでは、それを中国語でどう発音するかは絶対わからない。「东京」は「トウキョウ」とは言わないんです。「Dōngjīng」というつづりを見て、初めて「トンチン」と発音できるんですよ。

Q: 覚えることがたくさんありそうで、なんだか心配になってきました……。

そうですか? 文字と発音を覚えるのは、全ての外国語にとって基本ですよ。中国語はましな方です。日本人は漢字を使っているおかげで、中国語の単語を見れば、それが「何を意味するのか」がある程度わかります。「汉字」「东京」が「何を意味するのか」なんて、改めて説明するまでもないでしょう。これがアラビア語だったらどうですか? くねくねした文字のかたまりが「何を意味するのか」、知らない人には全くわかりません。ですからすでに漢字を知っているということは、日本人が中国語を勉強する際の大きな利点なのです。
Q: ところで「Zhōngguó」「Dōngjīng」の、アルファベットの上についている棒は何ですか?
よくぞ聞いてくれました。これは中国語の大きな特徴である「声調」を表す記号です。「声調」は日本語や英語にはないものですから、これをしっかりマスターすることが中国語上達の早道です。「声調」は四種類あります(標準語の場合)。
例えばmaならこうです。

第一声 
第二声 
第三声 
第四声 

音が激しく上がったり下がったりします。この「上がったり下がったり」は、私たちが日本語を話す時にも、似たことを経験しています。ちょっと場面を設定して考えてみましょう。
【場面1】

幼稚園の先生  「明日の遠足は8時集合ですよ。わかりましたか?」
園児たち  「はーい!」→これが第一声=高く平らに伸ばす
【場面2】

上司「(暗い顔で)実は社長が昨夜、亡くなったそうだ」

社員「ええっ!」→これが第二声=急激に上がる

【場面3】

体育の教師 「さあ! 今日も元気よくラジオ体操からいってみよう」
生徒たち「あ〜あ、またかよ。うざってー」
→「さあ!」が第四声=急激に下がる
→「あ〜あ」が第三声=低く、押さえつける
いかがですか? このように、私たちは日本語を話す時、気分によって語調が「上がったり下がったり」します。しかし中国語は気分にかかわらず、全ての語に「上がったり下がったり」があります。「上がったり下がったり」が異なれば、異なる語です。

妈 mā お母さん
麻 má 麻
马 mǎ 馬
骂 mà ののしる


中国語を勉強する時は、声調記号を見ながら繰り返し音読し、「上がったり下がったり」がスムーズにできるように練習します。ですから私たち中国言語文化専攻の教室はいつもにぎやかです。先生が先導し、皆で声をそろえて発音練習を繰り返します。声の大きい人、明るい人、ものまねがうまい人などは大歓迎です(笑)。


Q: 楽しそうですね。でも私は中国語は全く初めてですし、特にものまねがうまいわけでもないのですが……。
今言ったことは「心がけ」の問題です。新しい言葉を身につけるためには、大きな声で元気よく発音すること、失敗を恐れないこと、反復練習をいやがらないことなどが大切です。こういう「心がけ」があれば、毎日の勉強がとても充実したものになりますし、中国語を学ぶ楽しさがわかるのではないかと思います。それに、うちの学生さんは中国語は初めてという人がほとんどですよ。皆がスタートラインから始めるわけですから、むしろ安心ではないですか?
Q: 今年はちょうど北京オリンピックもありますね。
そう! 今が中国語を始めるチャンスかも(笑)。2010年には上海万博もありますよ。……ともかく、外国語を学ぶということは、これまで全く知らなかった世界の扉を開くようなものです。外国を知ることによって、日本がもっとよく見えてくるということもあるでしょう。ですから私は、若いみなさんが大学で新しい外国語を学ぶことを、ぜひおすすめします。もちろん、一押しは中国語ですね!
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