ホーム > 学生之声 > 旧「学生之声」目次 > 影評・劇評・書評・随想 【'07東京国際映画祭レポート/修士07年度生・山崎寿江さん】  

 今年も毎年恒例の東京国際映画祭に行ってきました。今年の映画祭は20周年記念ということもあって去年以上に盛り上がった一週間でした。今年は中国・台湾の作品を合わせて5本観てきました。


 まずは観たのは今年の6月に急逝した台湾映画の巨匠エドワード・ヤン監督の2作品です。今回の映画祭では追悼特集を設けてあり、普段なかなかお目にかかれない貴重な作品を観ることが出来て大変有意義でした。

 その中で私が観たのは『海辺の一日』と『台北ストーリー』の2本。『海辺の一日』は題名の通り海辺での一日を描いたもので、長編第一作目の作品です。それ以降の作品の基礎となっている印象を受けました。『台北ストーリー』ではホウ・シャオシェン監督が出演しています。普段は映画を撮っている方という印象がありますが、なんと俳優もやっていたということを知って新鮮な気持ちがしました。


 個人的に一番面白かったのが『帰郷』です。この作品は、バスジャックに逢い、殺されてしまった友人の死体を担いで故郷まで旅するロードムービー。中国の爆笑王、チャオ・ベンシャン(趙本山)の表情豊かな演技が大変面白く、会場にも笑い声がよく響いていました。なんと、上映後に監督のチャン・ヤン(張揚)と遭遇してサインをゲット!映画祭ならではの楽しみです。


 台湾映画の『遠い道のり』は切ないラブストーリー。音声技師の少年と精神科医が主人公で、「音」をキーポイントとして音のつながりが愛のつながりを表現しています。ティーチインが無いのが少し残念でした。

 最後の締めはコンペティション部門の『思い出の西幹道』です。中国の北方の町を舞台に一人の少年とその家族を通して1970年代後半の文革での体験を描いた作品。一つ一つのシーンがとても丁寧に作られていて、登場人物の心情がリアルに伝わってきました。主人公の男の子とモデルとなったのは監督自身だそうです。ティーチインでは監督と奥様の脚本家と女優さんが舞台に上がりました。この作品は見事、審査委員特別賞を受賞しています。


 今回はこの5作品だけに絞って観ましたが、このほかにも数多くの面白い映画が上映されました。特集上映だけでなく、映画祭でしかお目にかかれない作品もたくさんあります。来年もどんな映画が観られるか楽しみです。


※写真は山崎さんが観に行った映画の半券と、「アジアの風」パンフレットの一部を掲載させていただきました。


06年の東京国際映画祭レポートはコチラ


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