ホーム > 学生之声 > 旧「学生之声」目次 > 元・学生之声 【針灸に魅せられて---大連医科大学研修記/02年度生・新井千津子さん】   
☆留学への経緯

 大学時代に興味を持った"身体全体からの治療"を学びたいと思い、また自分の専攻であった中国語の能力を高めたいということで2006年2月から2007年1月まで中国・大連医科大学に留学してきました。  
 
 語学に関しては、医科大学なので、語学クラスのシステムはあまり良くなく、結局独自で日常会話を学ぶことにしました。そのため、中国に語学留学で来ている留学生と比較すると、語学の伸びはイマイチだったかもしれません。その代り、病院にて針灸の研修をしたため、患者さんとのコミュニケーションや専門用語に関しては、深めることができたと思います。


留学先の大連医科大学

吸い玉や針など
☆研修に奮闘する日々

 針灸の研修については、まったく基礎や理論を知らない私なのに、初日から大学の付属病院で臨床経験を積むことに。白衣を着て針灸科に伺うと「では、針を抜いて」と先生の一言。「えっ!」と動揺しつつも、やるしかなく、患者さんに刺さった針を抜かせてもらうことに・・・・。

 

抜き方も知らないため、冷や汗がでるほど緊張し、恐る恐る抜きました。なんとか全身に刺さった針を抜き終わり、一息。患者さんに「謝謝」と言われ、うれしかったのですが、一方では、こんな私が抜いていいのかというためらいがその言葉を頂いた後まで続いていました。しかし、理論よりもまず体験をさせるのも、大陸的というか、中国ならではなのかもしれないと感じました。

 上記のように、臨床では患者さんの針を抜くこと・吸い玉(ピンセットに脱脂綿を挟み、アルコールをつけ、ガラス球に火を入れ、皮膚を吸いとる)・瀉血の補助などを実際にやり、先生の空いている時間に一対一で中医学の基礎や理論を学びました。また、先生の講義内容を翻訳するなどして針灸のポイントを学びました。
 
 顔面神経麻痺や肩こり症などの患者さんが多い中、ダイエットやシミ取りなど美容の治療にも携わることができ、現代的な針灸治療も目にすることができました。ちなみに、その効果はとても良く、ダイエットに関しては、ほとんどの人が10回の治療のうち3キロくらい痩せていました。

吸い玉治療をする新井さん

 ☆最後に・・・
 
 中国の病院で過ごした1年間は、先生や看護婦さん、また患者さんとの出会いの中で彩られ、支えられたものでした。針を抜くことや吸い玉の技術に関しても、患者さんが快く私にやらせたくれたおかげで成長できたと感じています。
 「すべての病は、気血の停滞により起きたものであるから、針でそれを疎通し、灸でそれを温める」これは、先生から最後に頂いた掛軸の言葉です。この言葉どおり身体全身からの治療と患者さんの声・肌の色・脈・舌の色などを診る問診を実際に経験し、中国伝統医学に改めて興味を持ちました。「全ての基本はここにある」と言う先生の言葉を忘れず、これからも学び続けていきたいと思います。


Copyright©2005 中央大学文学部人文社会学科中国言語文化専攻