ホーム > 学生之声 > 旧「学生之声」目次 > イベント報告 【中国言語文化専攻修士課程 開設記念講演 「中国語を通して知る中国文化の魅力」/報告者:修士課程 06年度生・小田格くん】

 今回は「中国言語文化専攻修士課程 開設記念講演会」として行われた、讃井唯允先生、楊凱栄先生の講演についてレポートする。 



 日本の中国語学習者なら一度は聴いたこと・観たことのあるNHK中国語講座の講師を務めた讃井先生、楊先生の講演会ということで、学外からの聴衆も多く、会場の3353教室は開始5分前にはすでに満員状態となっていた。


大学院のポスターも掲示

講演開始前のようす


 讃井先生は「“教室中国語”からの
脱却―――そして中国文化への接近」と題して講演を行われた。“教室中国語”とは、日本の教室で生み出される奇妙な中国語を指す、讃井先生の造語である。この“教室中国語”をめぐる自身の体験を中心として話が進められた。

唯允先生

 讃井先生が在外研究として初めて中国を訪れた際、今まで習ってきた中国語では挨拶もままならず、様々なカルチャーショックを受けたそうである。その原因を追究すると、日本語直訳式の中国語テキストにたどり着くこととなる。
 先生は中国語の文章を作成する時には、翻訳ではなく、中国語母語話者の作成した文をベースに文章をアレンジする“借文”をすすめられ、活きた中国語に触れることの大切さを強調された。「“教室中国語”からの脱却」とは換言すれば、日本語直訳からの脱却であり、これが達成された時におのずと「中国文化への接近」もまた達成されるということでもある。
 最後に「中国語を学習していて良かったと思う日が必ず来るので、頑張って勉強してください」と述べられた。この言葉は講演会に参加した多くの人の心に響き渡ったことであろう。




楊凱栄先生
 楊先生は「言葉から見た日中の違いについて」と題し、レジュメを使用しての講演であった。長い間日本で教鞭を執ってきた先生の視点で観察された、挨拶からコミュニケーション方法、言葉の性質に至る日中の相違点について触れられた。

 講演では全体を通して、良くも悪くもマニュアルに対して几帳面であるという日本人像が浮かび上がってきた。几帳面であるがゆえ、テキストの表現に縛られてしまうという点に関しては、讃井先生の“教室中国語”にも通じる部分であり、私たちが気をつけなればならないことであろう。
 また、中国で外国語を専攻する学生は、2年ほどで基本的会話は問題ないくらいのレヴェルに達するそうである。この話にショックを受けた学生も多かったと思うが、実践に主眼を置き、例外や専門的な事象は後からインプットすれば良いという中国式学習から、日々の中国語学習に活かすことができる点は多いと言えるだろう。

 相手の収入まで尋ねてしまう中国式コミュニケーションに戸惑わないためには、日本での常識を捨て去り、中国語と勇気を持って街に出て、臨機応変に対処することが大切であると、強く感じた。
 残念ながら、今回は言葉に関する興味深い話が始まったところで、タイムアップとなってしまったが、是非次の機会に改めてお話して頂きたいところである。

熱心に聞き入る参加者



 講演会終了後は共同研究室に場所を移し、讃井先生、楊先生を囲んでの懇親会を行った。懇親会の参加者は本当に年齢、性別、職業など様々で、遠く名古屋から来訪された方もおられた。


懇親会のようす
中国語学習者の層が厚いこと、そして、こうした個人が日本と中国の架け橋となっていることがとても頼もしく感じられた。自己紹介からはじまり、讃井先生、楊両先生への質問時間には中国語学習の素朴な疑問や中国人との付き合い方まで、参加者全員で和やかに話をすることができた。

 私は今回の講演会を通して,自分の中国語学習について反省するとともに、大学院でこうした素晴らしい先生方に教わることができることを心から幸せに感じた。そしてまた、大学院でともに学ぶ志を持つ学生が現れて欲しいという思いを禁じえなかった。

Copyright©2005 中央大学文学部人文社会学科中国言語文化専攻