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シラスウナギの密漁・密売におとり調査(米国, 2017年4月8日)

米国メイン州を中心にアメリカウナギ(Anguilla rostrata)のシラスウナギの密漁・密売に対するおとり調査が進んでいる。「Operation Broken Glass」と呼ばれるこの調査は、2016年にも3日間で7名が裁判にかけられるなどの成果を挙げている(2016年10月11日の記事)。メイン州には、アメリカでほぼ唯一のアメリカウナギのシラスウナギを流通させるマーケットが存在する(他にはサウスカロライナにごく小さなマーケット)。今回は、最も歴史が古い、メイン州最大の業者が摘発された。

ヨーロッパでもシラスウナギの密輸を摘発する大規模調査「Operation Lake」が進められた(2017年3月10日の記事)。国内で養殖されているウナギの半分以上が密漁・密売(無報告漁獲)・密輸などの違法な行為を経ていると考えられる日本においても、米国やヨーロッパのような大規模調査が求められる。警視庁だけでなく、国税局による調査も期待される(2016年9月29日の記事)。

アメリカウナギに対する米国内の需要は低い。しかし、ヨーロッパウナギがワシントン条約によって国際商取引を制限され、EUが域外との取引を禁止した2010年以降、ヨーロッパウナギの入手が困難になったことにより、東アジアからの需要が高まり、アメリカウナギのシラスウナギの価格が高騰している(下図はMaine Department of Marine Resourcesより)。2004年から2010年までの米国とカナダからのウナギ輸出量は世界の総輸出量の6%に過ぎなかったが、2011年から2013年では35%を占めるまでに大きくなっている。

メイン州シラスウナギ取引価格

今回の違法行為の摘発は、ウナギ属魚類に対するグローバルな消費行動の一端を示している。ウナギはある特定の一種のみを保護の対象とすると、需要が他種へとシフトする。このためEUは、全ウナギ属魚類を包括して管理すべきであると主張している。第17回ワシントン条約締約国会議(2016年9月)におけるEUの提案は、ヨーロッパウナギ単一種の保護によって他種へ悪影響が生じることを危惧したものであり、米国における捜査は、その危惧が現実のものとなっていることを明らかにした。EUの主張に関する詳細は過去の記事「ワシントン条約CoP17に対するEUの提案をどう解釈するべきか」を参照のこと。

報道へのリンク
https://www.washingtonpost.com/local/public-safety/officials-cracking-down-on-poaching-of-a-slippery-squiggly-and-valuable-commodity–baby-eels/2017/04/06/e84d9ab8-1ad7-11e7-9887-1a5314b56a08_story.html?utm_term=.a8495b65d685

1千万€相当のシラスウナギ密輸人17人逮捕(EU, 2017年3月10日)

ギリシャとスペインの当局が、欧州警察機関と欧州警察機関の支援により、EUから中国へ10t以上のウナギを密輸した疑いがもたれている国際犯罪組織を解体した。

ギリシャとスペインでの強制捜索により17人が逮捕された。また、2百万相当のウナギ2t、データ記憶装置、書類、高級車、現金100万€、ゴールドバーが押収された。今季だけでEUから中国へ1千万€相当のウナギ10tが密輸されたと考えられている。

Karmenu Vella環境、海事・漁業総局長からのコメント:
Lake作戦は、異なるEU加盟国から熱心な現地調査人が協働すれば野生生物の違法取引に対して大きな結果を残せることを示している。野生生物の違法取引に対するEUアクションプランでは協力のための強固な基盤が定めらている。今回のケースでは、ウナギはヨーロッパでは絶滅危惧種とされている。違法な漁業や取引は生残の直接的な脅威になる。我々が生物多様性の保全を考慮しているだけでなく、実際に行動できるという強いメッセージを発信した人々を心から祝福したい。

Rob Wainwright欧州警察機関機関長からのコメント:
今回の任務は、EU加盟国が、国境を越えた組織的な犯罪の対処を成功させる上で、欧州警察機関の支援の恩恵をどれほど受けられるかを示すまた一つ重要な例となった。欧州警察機関加盟国の努力と決断力に敬意を表したい。魚が合法な市場に出回れば、企業が不正な書類を利用してギリシャへ輸送するだろう。ウナギは最終的に「鮮魚」としてアジアへ輸出されていたと思われる。

Abaiaと呼ばれる任務は、フランス、ポルトガル、スペイン、イギリスの連携によるLake作戦の結果に直接つながっている。Lake作戦は、野生生物の違法取引に対するEUアクションプラン(”European Union Action Plan against wildlife trafficking)の枠組において欧州警察機関により2015年に開始された。
AbaiaはEUにおける絶滅危惧種の違法取引に関して、近年最も重要な活動とされている。

ヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)の個体群は著しく減少している。国際海洋探査委員会(International Council for Exploration of the Seas , ICES)によると、2011年までにシラスウナギの加入レベル(毎年生まれるウナギの仔魚の数)は1980年代の1%にしかならない。シラスウナギの加入は、統計的には2011年から大きく増加しているが、生活史の全ての成長段階でのウナギの数は非常に少ないままである。

EUの規則により、EU加盟国は、ウナギの40%が河川から産卵場所である海洋へ降河できるように取組を行わなければならない。ヨーロッパウナギは、CITES(Convention on International Trade in Endangered Species、ワシントン条約)の附属書IIにも記載されている。EU加盟国の専門家からなる科学審査グループ(Scientific Review Group)の年次提案により、ヨーロパウナギのEUへの国際的な持ち出しや持ち込みは禁止されている。

元の記事
https://www.europol.europa.eu/newsroom/news/17-arrested-for-smuggling-glass-eels-worth-eur-10-million

台湾で過去最高のシラスウナギ密輸摘発 台湾(日刊 世界のウナギニュース2016年11月28日)

★台湾で過去最高のシラスウナギ密輸
26日、台湾の桃園国際空港で香港行きの飛行機に搭乗中の8人の荷物から、シラスウナギ32万匹、600万円相当が押収された。押収量としては台湾で過去最大。シラスウナギは資源保護のため台湾からは輸出禁止になっている。
“台湾でウナギの稚魚大量密輸か 税関が調査” (日本、NHK)
 
★オオウナギの画像でネット炎上 中国
中国版Twitter、微博に先週初めに投稿された画像が炎上している。画像は中国南東部の広西チワン自治区南寧市の灵婉湖で捕獲された1mほどのオオウナギ。中国では絶滅危惧種に指定されているが、画像では頭に金属棒が貫通しており、残忍だとして問題となっている。このウナギは少なくとも同湖に7年は生息していたと推定され、ダイバー達の人気を集めていた。地元の漁業当局では調査を開始し、多くの人が情報提供を呼び掛けている。
“Killing of ‘king of fish’ in Guangxi sparks public outrage” (ECNS.cn 、中国)
年度末に向けて山積みの業務に対応するため、「日刊 世界のウナギニュース」はしばらく休載します。再開に向けて準備致しますので、今しばらくお待ちください。

ウナギ研究クラウドファンディング、成功なるか ベルギー(日刊 世界のウナギニュース2016年11月16日)

★ウナギ研究クラウドファンディング、成功なるか
ベルギーの研究者らにより、アルミニウムがヨーロッパウナギに及ぼす影響を調査するための費用がクラウドファンディングにより募られている。目標額は3万£(約400万円)で16日時点では423£集まっている。締め切りは51日後。アルミニウムは魚類の鰓に結合し、浸透圧の調整機能に影響を及ぼすとされる。本来であれば土中でキレート化されるため河川や湖には存在しないが、酸性雨が降り始めた何十年か前から土が酸性化した事で流出するようになった。研究者らはオランダで採集された耳石を用いてその相関性を調べるとしている。
“Quand le crowdfunding part la la rescousse des anguilles en voie de disparition” (rtbf, BE)
https://www.rtbf.be/info/economie/detail_quand-le-crowdfunding-part-la-la-rescousse-des-anguilles-en-voie-de-disparition?id=9455677
クラウドファンディングのサイト:https://www.futsci.com/project/eel

★遠州灘に銀ウナギ366匹放流
15日、浜名湖の下りウナギの買取放流事業「浜名湖発親うなぎ放流事業」が行われ、浜名湖から200mほど離れた水深約10m、水温約20℃の場所に下りウナギ366匹、173.8kg分が放流された。この事業は今年で4回目で浜松市、湖西市、養鰻業者、うなぎ料理店ら等で行われている。今年12月までに計300kg、700匹を目標にあと2回放流される予定。
“親ウナギ 遠州灘に放流” (中日新聞、日本)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20161116/CK2016111602000040.html

★『ウナギと人間』の筆者、自らとその著作を語る
日本では今年出版された『ウナギと人間(原題:Eels:An Exploration, from New Zealand to the Sargasso, of the World’s Most Mysterious Fish)』(築地書館)の筆者、James Prosek氏が自身の経歴や著作について語った。同氏は9歳の時に魚に惹かれ、大学1年生の時にはアメリカ国内の様々な地域の野生生物当局に手紙を書きどのようなマスがその地域に生息しているかを調査、書籍を出版した。その後ニュージーランド、日本、ヨーロッパを12年間旅し、2010年には『ウナギと人間』(の原著)を発行。ウナギの謎に満ちた生態、ニュージーランドのマオリとの出会いから得た教訓を書いた。現在は12歳の時から取り組んでいる、人間がどのように自然を名づけ整理するかに関する書籍を執筆中。
“Self-Taught Easton Artist James Prosek Draws On His Passion For Fish” (Trumbull-Monroe, US)
http://trumbull.dailyvoice.com/neighbors/self-taught-easton-artist-james-prosek-draws-on-his-passion-for-fish/689416/

 

★342年ぶりにダム解放 アメリカ(日刊 世界のウナギニュース2016年11月11日)

★342年ぶりにダム解放 アメリカ
米マサチューセッツ州東部のThird Herring川にあるTack Factoryダムが来月撤去される。工事は来年1月に完了予定。North & South川流域協議会(North & South Rivers Watershed Association, NSRWA、山岡訳)とマサチューセッツ湾沿岸プログラム(the Massachusetts Bays National Estuary Program、山岡訳)とで行われる。この事業によりこの地域の生息地の86%が来春までに移動可能になるとされている。この事業は2002年から始まり、42万$(約4450万円)が州や国からの助成金などから出資されている。撤去予定のダムは植民地時代の建設時は土製で、製材所や製粉所の動力源として、産業革命時に再建された後は工場の動力源として機能していた。NSRWAのWoods理事は、このダムは海洋から最も近いダムであるため大きく悪影響をもたらしており、ニシンやウナギなどが何百年も移動できていないと話す。同氏は、ニシンはこの地域の地名の由来ともなっている象徴的な種だが90%が減少しており数年前には絶滅危惧種として指定されかけた。撤去によりそのレベルにまで達さないようにできればと話した。同川には本ダムを含めて4基の歴史のあるダムが設置されている。上流側の1つは2014年にYMCAにより撤去されているが、協議会ではさらに上流側にあるHanover Mall(ショッピングモールのようです、山岡注)が所有するダムも撤去したい考え。Jacobs Pondダムは撤去されず魚道が設置される予定。同州では3000以上のダムがあるが、そのうち200基しか現代の使用目的と合致していない。
“Tack Factory Dam to be removed” (Wicked Local Hanover, US)
http://hanover.wickedlocal.com/news/20161110/tack-factory-dam-to-be-removed

★全蒲連、水研に590万円寄付
9日、全国鰻蒲焼商組合連合会の涌井理事長らが国内のおよを250業者から集められた「完全養殖推進支援金」590万円を水産研究・教育機構に寄付した。同機構の宮原理事長は寄付金額としてはこれほどの金額の寄付は過去に例がないと話した。
“「完全養殖1日も早く」、ウナギ屋が思い込め水研機構に寄付”(日刊水産経済新聞)
http://www.suikei.co.jp/%E3%80%8C%E5%AE%8C%E5%85%A8%E9%A4%8A%E6%AE%961%E6%97%A5%E3%82%82%E6%97%A9%E3%81%8F%E3%80%8D%E3%80%81%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%AE%E5%B1%8B%E3%81%8C%E6%80%9D%E3%81%84%E8%BE%BC%E3%82%81%E6%B0%B4%E7%A0%94/

★第1回国際ウナギ科学シンポジウム開催 2017/6/13-17 イギリス(日刊 世界のウナギニュース2016年10月12日)

★第1回国際ウナギ科学シンポジウム開催 2017/6/13-17 イギリス
来年6/13~17にイギリスで、第1回国際ウナギ科学シンポジウムが開催される。主催はロンドン動物学会、漁業管理協会(Institute of Fisheries Management,山岡訳)、環境局。世界中の研究者や専門家らが最新のデータや生物学的知見、ウナギ属魚類の管理についての発表を行う場としている。登録は12/23まで受付中。
“13-17 June 2017: International Eel Science Symposium Science into Management” (SEG, UK)

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★うなぎ解禁 Adour川、Gaves Réunis川、Pau川 フランス
フランスのHautes-Pyrénées県を流れるAdour川下流、Gaves Réunis川、Pau川で漁獲されたウナギ、ニゴイなどの販売や消費が解禁となった。対象とされていた魚種はこれまで、衛生基準を満たしていないとして販売や消費が規制されていた。
“Les anguilles de l’Adour et des Gaves peuvent être vendues et mangées” (Toulouse7.com, FR)

Les anguilles de l’Adour et des Gaves peuvent être vendues et mangées



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3日間で7人裁判 シラスウナギ違法取引 アメリカ(日刊 世界のウナギニュース2016年10月11日)

★3日間で7人裁判 シラスウナギ違法取引 アメリカ
4~6日までに米メイン州で7人がシラスウナギの密漁、密売買で有罪判決を受けていたことが判明した。7人合計で190万$超相当のシラスウナギが違法取引されていた。アメリカでは過剰な漁獲のため、養鰻はメイン、サウスカロライナ、フロリダ州の3州のみでしか許可されていない。メイン州、サウスカロライナ州はシラスウナギ漁を厳しく規制しており、漁業は免許制で全採捕量を州に報告しなければならない。一方フロリダ州はシラスウナギに関する規制はなく、採捕量の少なさが漁業を実質不可能にしている。7人とも違法行為であると知りながら取引を行い、さらに、密売と密輸の隠ぺいのため、メインまたはフロリダ州の養鰻許可を利用していた。今回の申し立ては、アメリカ魚類野生生物局が複数権限を持つ、アメリカウナギの違法取引調査”Operation Broken Grass”による。
“Seven Men Plead Guilty for Illegally Harvesting, Selling American Eels” (Kansas City InfoZine, US)
http://www.infozine.com/news/stories/op/storiesView/sid/65509/

★韓国でタラの完全養殖成功 世界初
韓国の国立水産科学院が11日、タラ(スケソウダラ?)の完全養殖に成功したと発表した。タラは日本が1世代目の人工種苗の生産技術に成功していたが、それ以降は進展がなかったという。
“タラの完全養殖 韓国が世界初の成功” (KBS World Radio, 韓国)
http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_Sc_detail.htm?No=61026&id=Sc

 

★危ない!高速道路にウナギ
7日までに、ニュージーランド北島のWaikato高速道路で、絶滅が危惧されているlong fin eelが見つかった。ウナギは幸い轢かれず救出された。ウナギが高速道路にいた理由は不明。
“Large eel slithers onto Waikato highway” (nzherald.co.na, NZ)
http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11724804

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化学物質汚染されたウナギを食べたら・・ イギリス(日刊 世界のウナギニュース2016年10月4日)

★化学物質汚染されたウナギを食べたら・・
SEGが、このほど発表された、(過去に)高濃度汚染地域のウナギを消費する事でダイオキシンなどの有害物質が体内に蓄積する事を初めて、明らかにした論文を紹介している。研究では、低濃度汚染の地域または養鰻場と高濃度汚染された地域、それぞれの地域で習慣的にウナギを食べている40-70歳の男性80人の血清を調査した。その結果、高濃度汚染された地域のウナギを食べていた人からはそうでない地域の人よりも2.5~10倍のダイオキシンとPCBs、8倍のダイオキシン様物質(OH-PCBs:PCBs水酸化代謝物)が検出された。また、*PFASも明らかに高濃度だった。研究者らは事前のリスク評価と、汚染物質の予測が重要だとしている。

*PFASs・・ペルフルオロアルキル化合物。難分解性、生物蓄積性がある人工化学物質。物質によっては、子供や胎児の成長、学習、挙動に影響を及ぼす可能性がある。生殖機能低下、発がんリスクの増加等も招くとされている。
参照先:http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/10710/1/13R2116.pdf
https://www.atsdr.cdc.gov/pfc/docs/pfas_fact_sheet.pdf

“ACCUMULATION OF PERSISTENT ORGANIC POLLUTANTS IN CONSUMERS OF EEL FROM POLLUTED RIVERS COMPARED TO MARKETABLE EEL” (SEG, UK)
http://www.sustainableeelgroup.org/2016/10/04/accumulation-of-persistent-organic-pollutants-in-consumers-of-eel-from-polluted-rivers-compared-to-marketable-eel/

★SEG、CoP17でのEU提案承認を歓迎
2日、ヨーロッパのウナギの専門家組織SEGがCoP17でのEU提案承認を歓迎すると表明した。この提案には種ベースでの国際的または地域的な協力を促進する事、実践的なワークショップに適宜参加し、確認されている主なトピックに関する知識を共有する事などが含まれている。また、中国は全体的に支持を表明したが他のウナギ属魚類は附属書に含まれるべきだとは考えていないという。提案は最終的に、事務局からのコメントの追加とアメリカからの訂正を経て承認された。
“SEG WELCOMES THAT EU DRAFT DECISIONS WERE ACCEPTED AT CITES COP 17!” (SEG, UK)
http://www.sustainableeelgroup.org/2016/10/02/seg-welcomes-that-eu-draft-decisions-were-accepted-at-cites-cop-17/

★自治体がウナギにやさしい水力発電用水車開発に投資
イギリス南西部サマセット州BathamptonのAvon川で、地域企業による水力発電用の水車の開発が行われている。この水車は1987年に設置されたが、ウナギなどの魚類が通り抜けられるような構造に生まれ変わり、20世帯分1年分の電力が生産される。今後は電力量を20MW(4500世帯分)まで増やす見通し。地域企業が開発する事で地元住民が投資し配当金が得られるというメリットがある。今回の事業にはCO2排出量削減や再生エネルギー開発を戦略としているBath & North East Somerset(自治体)が13万ポンド(約1,690万円)投資した。
“Council invests in new water wheel for community’s renewable energy scheme” (Bath Echo, UK)
http://www.bathecho.co.uk/news/community/council-invests-new-water-wheel-communitys-renewable-energy-scheme-68919/

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静岡県 次漁期からシラスウナギ流通規制強化へ(日刊 世界のウナギニュース2016年9月30日)

★静岡県 次漁期からシラスウナギ流通規制強化へ
静岡県海区漁業調整委員会で29日、シラスウナギの不正所持、移動の規制強化策が了承された。これにより今後採捕者に対し、漁の終了報告、一時保管場所等や運搬代理人について事前届出が義務付けられ、違反した場合は採捕権のはく奪等の罰則が科される。12月の次漁期から適用される見通し。一時保管場所についてはこれまで、採捕者が都合により指定集荷人に直接手渡せない場合、自宅などで一時保管または他者が運搬して良い事になっていたが、今回県が、流通の透明さを欠く原因になるとして指摘した。委員からは採捕者個人ではなく組合の連帯責任にする提案されるなど、厳しい姿勢が見られた。
“ウナギ稚魚、流通透明化へ規制強化 静岡海区漁業調整委” (静岡新聞@SBS、日本)
http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/unagi/286876.html

★ニュージーランド南島 ウナギの魚種別規制へ
ニュージーランドの省のGuy第一次産業大臣がこのほど持続可能性に関する施策と管理について見直し、まず初めに10/1から南島でのウナギの漁獲可能量をlongfin eelとshortfin eelとで分けると発表した。南カンタベリーでは新しく、漁業目的のlongfin eelに対しては1tが割り当てられる。今回の決定は昨年に完了した南島の資源評価に基づいてなされたが、2018-19年に行われるさらなる評価で新しい漁獲可能量が政府目標を達成しているかを審査し、必要であれば再調整が行われる。これに対し南島のうなぎ業界の環境コンサルタントChisholm氏は、以前の漁獲可能量は両種合わせて35tだった、新しい量の1tは1000匹にしかならず事実上longfin eelの禁漁だ、今回の判断は柔軟性に欠け、緑の党への懐柔であり、科学的根拠についても考慮されていないと批判した。業界で反対運動をする事も考えたが、資金繰りはできなかったという。
“Revised quotas for eel catches in South Canterbury may put exporters out of business” (stuff, NZ)
http://www.stuff.co.nz/business/84733888/revised-quotas-for-eel-catches-in-south-canterbury-may-put-exporters-out-of-business

★バハマ、ハミルトン宣言署名
29日までにバハマのMitchell外務・移民大臣がハミルトン宣言(The Hamilton Declaration、山岡訳)に署名した。この宣言はバミューダ諸島政府とサルガッソ海委員会(The Sargasso Sea Commission、山岡訳)とで、アメリカウナギやヨーロッパウナギの産卵地などとして知られている同海域の保護を行うとするもの。拘束力はもたないが、バミューダ諸島政府は委員会に対し、継続的な評価の下、サルガッソ海の健全性、生産性、回復力を保持させなければならないとしている。委員会は研究者や公海の生態系の保全に関して国際的に評価されている者で構成され、他の署名国間での協議後にバミューダ諸島政府から指名される。この宣言は2014年3月にアゾレス諸島、バミューダ諸島、モナコ、イギリス、アメリカとで署名されたのが始まりで、今年1月には英領ヴァージン諸島が署名し、今回で7か国目となった。
“Sargasso: Bahamas Signs Hamilton Declaration” (Bernews, BM)
http://bernews.com/2016/09/trust-welcomes-boa-plans-for-olympic-wall/
宣言の詳細等はこちら:http://www.sargassoseacommission.org/about-the-commission/hamilton-declaration

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

稚魚販売会社 1億6千万の所得隠し 日本(日刊 世界のウナギニュース2016年9月29日)

★稚魚販売会社 1億6千万の所得隠し 日本
静岡県湖西市の稚魚販売会社「シラス販売」が昨年までの6年間で1億6千万円の所得を隠していた事が、名古屋国税局により明らかになった。現在は納税済みだが、架空の仕入れ先からの経費を計上し仕入れ先への謝礼金や高級車代として使ったと見られている。ある元国税局職員は、ある程度の経営規模の業者の資金の動きがシラスウナギの価格高騰により大きくなっていると分析しており、国税が注視していると話した。
“湖西のウナギ稚魚販売会社が所得隠し” (中日新聞、日本)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20160929/CK2016092902000103.html

★漁業者が風力タービン建設中止訴え スウェーデン
スウェーデン南部のスコーネ県とブレーキンゲ県との間にあるハーネ湾に建設予定ウィンドファーム83基に対し、うなぎ漁業者が建設中止を求めている。2011年の建設許可当時の高さは最高170mまでとされていたものが、最近になり220mになったためだ。これに対し漁業者らは、施行された場合、漁業に悪影響が出るとして土地環境裁判所(mark- och miljödomstolen、山岡訳)に訴える見込み。漁業者の代表のMalmer氏は、220mはスウェーデンで最も高い高層ビルTurning Torsoよりも高い、事態はこのまま見過ごされるべきでないと語った。
“Ålfiskare vill stoppa vindkraftverk” (svt, SE)
http://www.svt.se/nyheter/lokalt/blekinge/alarfiskare-vill-stoppa-vindkraftverk