河川・海岸の土砂水理に関するワークショッ
-土砂運動と地形変動解析の問題点の改善と流砂・漂砂水理学の新展開-


日時:2015年10月19日(月) 13:00-18:00
場所:土木学会講堂 (東京都新宿区四谷一丁目無番地)
主催:THESIS-2016 in Tokyo組織委員会,共催:水工学員会,後援:海岸工学委員会
連絡先:ths2016tamacc.chuo-u.ac.jp

ワークショップでは最先端の研究成果をベースに,これからの土砂水理学について多くの刺激的な議論が生まれました.ご講演頂いた先生方,積極的に議論に参加頂いた皆様,本当にありがとうございました.
開催報告をこちらにまとめました.


開催趣旨:
我が国では,土石流,津波,急流河川の激しい河床変動など,流砂モデルを用いた地形変化解析は様々な分野で重要性を増してきている.近年,CFD が発達し,地形変化解析に用いる流れの解析でも流れの鉛直構造が考慮できるようになってきた.また,移動粒子周辺の微細な乱流構造も解析できるようになってきた.このため,多くの移動床問題や,土砂移動が関係する問題の中で,流砂モデルに求められる役割が拡大している.しかし,一方で多くの流砂モデルは断面積分した一次元解析法の枠組みの中で発展してきたため,導出の過程で流れの鉛直構造や流砂の運動形態などは単純化されて,流砂モデルの中に押し込められているのが現状である.このため,流砂を取り巻く研究,技術の発展を踏まえて,従来の流砂モデルの利点・欠点の整理と展開の方向性,これまでの枠組みにこだわらない新しい流砂モデルの発展が求められている.
二相流モデルは流砂運動を力学的に取り扱う新たな流砂モデル開発の一つの方向性を示しており,移動床問題の課題改善に向けての有力な方法のひとつであると考えられている.土砂輸送の二相流モデルに関する国際シンポジウムTHESIS (Two-pHase modElling for Sediment dynamIcS in geophysical flows)-2016 in Tokyo (http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~ths2016/,土木学会共催) が,2016年9月12-14日に東京において開催される.このシンポジウムの中で,組織委員会(LOC)が中心となってTHESIS-2016 Workshopが企画されている.そこでは, 既往の流砂モデルの課題の整理と改善,新しい流砂モデルの展開,さらに両者の補完による流砂モデルの精度向上等について議論を行う予定である.このような内容の有意義な議論が行われるためには,Workshopに向けて相当の準備が必要である.
河川・海岸の土砂水理に関する国内ワークショップは,THESIS-2016Workshop のプレワークショップの位置づけられて行われる.即ち,上述の国内の土砂水理学の重要な課題に主眼を置き,二相流モデルだけに限らず,また,従来流砂モデルにとどまらず,現在の新しい解析技術の中で見出された従来モデルの新たな役割や重要性も含め,幅広い様々な視点で議論を展開することを目指している.このワークショップを開催することで,土砂水理学の現状の問題点を明確にし,関連分野の研究の活性化を図るとともに,THESIS-2016 への参加や論文投稿を呼びかけることもねらいとしている.
組織委員会(LOC)委員長
福岡捷二 (中央大学研究開発機構教授)

講演内容
 セッション1 土砂運動と地形変動解析の問題点の整理・改善,今後の土砂水理の発展,展望
  • 土砂輸送と地形形成プロセスのモデル化ーそのレビューと今後の展望ー泉 典洋(北海道大学)
  • 数値流砂水理学のこれまでとこれから:後藤仁志(京都大学)
 セッション2 河川・海岸分野における土砂運動と地形変化解析の新しい着眼点の話題
  • 浮遊砂としての土砂移動は移流拡散現象か?~流砂研究の現状と今後解決すべき課題について~関根正人(早稲田大学)
  • 河床の極近傍における流れと土砂運動の力学的評価への挑戦~水深積分モデルによる非平衡粗面抵抗則の適用性と課題~:内田龍彦(中央大学)
  • 石礫床河川の河床環境に着目した土砂水理の方向性:原田守啓(岐阜大学)
  • 波動境界層,砕波帯の組織渦構造と底質の応答~浮遊砂解析に向けての課題~:渡部靖憲(北海道大学
  • 流砂水理学の発展と数値移動床の役割原田英治(京都大学)
  • 波・構造物・地形変化・基礎地盤波浪応答解析ツールの開発と津波来襲時の海岸堤防の被災メカニズム解明への応用:水谷法美(名古屋大学)
 ※本ワークショップは継続教育(CPD)プログラムとして認定されています